経営アドバイザーである菅原健一さんが書かれた「厚利小売(こうりしょうばい)」は、経営者はもちろん、これから個人でビジネスをやっていこうと考えている方必須の書籍でした。
厚利小売というコンセプトはとてもいいなと思ったのでご紹介します。
- 単価が上がらない
- これからは自分をブランディングしていきたい
- 細々とした仕事をたくさん受けてて時間ばかりかかる
上記のように考えている方はぜひ読んでみてください。
厚利小売を実現する3ステップ
厚利小売を実現するには、以下の3ステップを踏みます。
- 価格を上げる
- お客さんを減らす
- 高い価値を提供する
たくさん作って、たくさん売り、多くの売上を上げる。「売上を上げる=正義」という「売上至上主義」が現代に蔓延っている考えだと思います。
しかし、厚利小売はその全く逆の思想。以下、本書から一部引用します。
「薄利多売」型のビジネスの特徴は「提供する価値に向き合わず、とにかくたくさん売って、ちょっと儲ける」です。(中略)カツカツの状態が続く「自転車操業」。まさに「質」より「量」の考え方です。
厚利小売を実現するために、①価格を上げて、②お客さんを減らした後に、③提供する価値に向き合う必要があります。
では「価値」とはそもそも何なのか?
価値とは「相手の変化量」のこと
価値とは「相手の変化量」のことを指します。これは厚利小売を実現するために最も大切な考えの一つ。
厚利小売では、価値の「種類」ではなく「変化量」に着目します。「相手の変化量」が大きいプロダクトであれば、価値が高くても買ってくれる人は見つかります。
ここで言う変化量とは、以下のようなイメージです。
- 利益が10倍になった
- 集客数が50%アップした
- 社員同士の関係が良くなった
- 自社の方向性が明確になった
「10倍になった」「50%アップした」など数字で表せる定量的なものだけでなく、「関係が良くなった」などの定性的なものも「変化量」に含まれます。
自分の商品・サービスで相手をどれだけ変化させられるか?を考える必要がある、ということですね。
本質価値と付加価値を見極める
相手を変化させるための「価値」には2種類あり、それは「本質価値」と「付加価値」です。
本質価値:
商品・サービスそのものの核心に迫る価値のこと。つまり、お客さんは真に求めている価値のこと。
付加価値:
商品・サービスの本質価値に追加される要素のこと。補完的な価値を指す。
マッサージで例えると、以下のようになります。
本質価値:
→確かな施術のスキル
付加価値:
→リラックスできる環境、フレキシブルな営業時間、個別カウンセリングなど
ここで大切なのは、「付加価値」だと思っていたのが、実は「本質価値」かもしれない…ということ。
マッサージに行く人は「施術のスキル」にお金を払っているのではなく
- リラックスしたいな〜
- 夜にやっているお店ないかな
- 子連れでも入れるところがいい
という部分に価値を感じているかもしれません。
わたしも整体に通っていたときは「体が整う」よりも「リラックスできる・スタッフが笑顔で迎えてくれる」に価値を感じている部分がありました。
これまで「付加価値」だと思っていたものを「本質価値」として打ち出せば、お客さまに独自性をアピールできる=選ばれるきっかけにできます。
学びポイントは多くあるのですが、書ききれないので以上です。
仕事の単価を上げていきたい!もっと自分の時間を作っていきたい!という方におすすめなので、ぜひ「厚利小売」を手にとってみてください。