生成AIに引用されるには、コンテンツをLLMO(大規模言語モデル:Large Language Model Optimization) に対応させる必要があります。
最近では、GoogleのAI Overviewsは検索の約55%で表示されているとのデータもあります(参考:DIGIDAY)。
またChatGPTを使って検索する人も増えたため、Bing経由の流入が2025年1月の1億2,320万件から4月には2億4,380万件へと約98%増加しているようです。以下、DIGIDAYからの引用です。
Referral traffic from ChatGPT also continues to grow this year. ChatGPT sent 243.8 million visits to 250 news and media websites in April 2025, up 98% from 123.2 million visits this January, according to David Carr, senior insights manager at data analytics company Similarweb.
訳:ChatGPTからのリファラルトラフィックも今年は増え続けています。データ分析会社Similarwebのシニア・インサイト・マネージャーであるデビッド・カー氏によると、ChatGPTは2025年4月にニュースおよびメディア系の250サイトへ2億4,380万件の訪問を送り込み、これは今年1月の1億2,320万件から98%の増加となっています。
これらの数値からも今後は生成AIからの流入は増え続けると考えられます。
ブラウザからの検索流入だけに頼っていると状況は苦しくなってしまうかもしれません。この記事では生成AIに引用されるための施策を紹介します。
生成AIに引用される方法5選
1. 構造化マークアップ
構造化マークアップとは、Webページの内容を検索エンジンや生成AIが理解できるように分かりやすく記述する方法のことです。
具体的には、ページ内にJSON-LD、Microdata、RDFaといった形式で Schema.org の語彙(スキーマ)を埋め込み、
- この記事はFAQである
- この数値はレビュー評価である
- 著者は◯◯である
といったエンティティ(実体)とその関係性を明示していきます。
Googleは「AI Overviewsで参照先を選ぶ際、FAQPageやHowToなどのschema.orgタイプを優先的に解析する」と公式ブログに書かれています。
参考:Top ways to ensure your content performs well in Google’s AI experiences on Search
構造化マークアップの詳細や具体的な実行方法は以下の記事を参考にしてください。構造化マークアップは、生成AIだけでなくリッチリザルトや強調スニペットなどへの引用率をグッと高めてくれます。

2. 統計データ・ファーストパーティデータ
ファーストパーティデータとは、閲覧履歴・購買履歴・アンケート回答など、企業が自ら集めた一次情報のことです。
生成AIがウェブサイトのコンテンツを引用するとき「そのページでしか読めない一次データかどうか」は大きな判断基準になるため、ファーストパーティデータは引用率を高める最強素材になります。
- アンケートなどでデータを集める
- 表・グラフなどで可視化して記事内に挿入
- Datasetスキーマを付与する(構造化マークアップする)
3. 適切なHTML構造
適切なHTML構造とは、ページを意味ごとに論理的に区切り、見出し階層とセマンティックタグで情報の優先度と役割を機械にも分かるように示した状態のことです。
■ セマンティックとは:
直訳すると「意味の」「意味論の」のような言葉。たとえば<header>はページ冒頭部、 <nav>は案内リンク集を表し、 <article>は独立した記事を示す…など、タグを使って「この部分は見出し」「ここはナビゲーション」といった役割(=意味)を機械にきちんと伝えられている状態を指す。
以下のようなポイントを意識しましょう。
- ページが3ブロック(<header><main><footer>)に区切られているか
- 見出し階層が整っているか(H1→H2→H3の構造になっているか)
- 画像・表に説明が付いているか
- 多言語サイトは lang / hreflang が設定されているか
見出し階層を整えるなどは基本的なことですが、もしうまく設定できておらず「階層飛び」になっていた場合、低品質なコンテンツをみなされてしまう可能性があるため注意が必要です。
WordPressの最新環境を使えば、header/nav/main/footer などのHTML5セマンティックタグはテーマ側でほぼ自動生成されます。
が、「どのテーマを使うか」「HTML5 サポートを有効にしているか」「ページビルダーで上書きしていないか」などによって結果が変わるので気になる方は確認してみてください。
4. 引用されやすいライティング
引用されやすいライティングとは、記事冒頭で結論と主要データを示し、後段で詳細を補足する「逆三角形(インバーテッドピラミッド)構造」で記述する手法のことです。
短文・能動態・箇条書きを組み合わせる文章設計をすることで機械が要点を抽出しやすくなり、生成AIに引用される率もアップします。
最重要情報を上に置くと読者と検索エンジン双方の理解速度が上がる、とNN/gでも推奨されています(参考:Inverted Pyramid: Writing for Comprehension)。
AIに引用されやすくするために、ライティング時は以下を意識してください。
- 結論→根拠→詳細の順に記述
- 箇条書きでポイントを列挙
- 能動態・具体名詞を使う
- 数値を半角で統一し単位を併記
- 引用元リンクを文中に記載
結論→根拠→詳細の順で記述…などは基本的なことでありますが、意識しないと抜けてしまうので過去に書いた記事も改めて見直してみましょう。
5. llms.txt設定
llms.txtとは、GPTBotやGoogle-Extendedなど生成AIクローラに対して「学習・引用・キャッシュの可否」を行ごとに宣言できる新提案のルールファイルです。
Jeremy Howard氏が2024年に提唱し、Search Engine Landなどのメディアが2025年春に取り上げたことで採用の機運が徐々に高まっています。
現在(2025年6月)の状況は以下の通りです。
- OpenAI → 検討中
- Google → 検討中
- Bing (Microsoft) → llms.txtに肯定的
- Perplexity → 早期導入を示唆
llms.txt はまだ「草案」段階ですが、GPTBotやGeminiBotが正式対応した際に生成AIからの引用をコントロールできるかもしれません。llms.txtの存在を頭の片隅にでも入れておきましょう。
よくある質問
Q. 生成AIから引用されるとどんなメリットがあるの?
生成AIから引用されると、回答画面に自社サイト名とリンクが表示されるため、検索結果を経ずにサイトへの流入や認知を獲得できるというメリットがあります。
生成AIの回答画面に表示される外部リンクは通常の検索よりも数が少ないため、生成AIに引用されることはとても強力な流入経路の獲得になります。
Q. 生成AIからの引用を増やすのに一番効果的な方法は?
生成AIからの引用を増やすのに一番効果的なのは、GoogleやBingが公式に推奨する構造化マークアップ(FAQPage・HowTo・Datasetなど)を実装することです。
よくある質問の構造化マークアップは、AI Overviewsで優先的に引用される対象だと Googleが明言しています(参考:Google Search Central)。

Q. お金をかけずにできる施策は何かある?
WordPressを使用中であれば、無料のプラグイン・Yoast SEOを使えばワンクリックで FAQ/HowToの構造化データを追加する施策が行えます。
また、記事冒頭150字以内に結論と主要データを置くライティングというのもコストをかけずにできる施策の一つです。
Q. 独自のデータがない場合はどうする?
独自のデータがない場合、公的統計やオープンデータを再分析し、自社視点のグラフを作るだけでも効果的です。
グラフを作成した場合、キャプションやalt属性にキーワードを含めると、画像ごと引用される確率がアップします(参考:BrightEdge)。
Q. Bing(ChatGPT)とGoogle Gemini、どちらを先に最適化した方がいい?
新規ドメインや被リンクが少ないサイトは、インデックスが速いBing/Copilotを優先した方が成果が出やすい傾向があります。
また、すでに検索流入が多いサイト(SEOで成果が出ているサイト)は、Geminiへの対策から着手すると効率的です。
まとめ
この記事では、生成AIに引用される方法を解説してきました。
GoogleのAI Overviewsが登場して依頼通常の検索流入は激減してますし、逆にChatGPTからの流入は急増しています。この流れはきっと止まらないと思うんですよね。
今や「生成AIが流入の入口」となる時代に一歩足を踏み入れているのかもしれません。まだまだLLMOなどの言葉も出てきたばかりでどうなるかは分かりませんが、準備しておいて損はないのかな、と思っています。
今から生成AIからの引用を獲得できる準備をしておきましょう!
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