構造化マークアップとは、Webページの内容を検索エンジンや生成AIが理解できるように分かりやすく記述する方法のことです。
構造化マークアップが必要になったのは、検索行動が「キーワード→クリック」から「質問→即答」へ以降し、リッチリザルトやAIの回答欄に載るかどうかが流入の分かれ目になったからです。
本記事では、構造化マークアップのメリット・デメリット、具体的な書き方と実装手順、テスト方法、FAQまでを解説します。
構造化マークアップとは
構造化マークアップとは、HTMLだけでは曖昧な「Webページ内に何について書かれているか」を検索エンジンや生成AIが理解できる形で記述する手法のことです。
具体的には、ページ内にJSON-LD、Microdata、RDFaといった形式で Schema.org の語彙(スキーマ)を埋め込み、
- この記事はFAQである
- この数値はレビュー評価である
- 著者は◯◯である
といったエンティティ(実体)とその関係性を明示していきます。
■ Schema.org とは:
Schema.org は、Webページに構造化データを記述するための共通語彙(スキーマ)リポジトリのこと。
2011年にGoogle・Microsoft(Bing)・Yahoo!・Yandex が共同で立ち上げ、検索エンジン/生成AIがページ内容を同じルールで理解できるようにすることを目的としています。
一般的なHTMLタグ(<h2>など )は、見た目や重要度を示すだけで「誰が」「何を」といった情報には関わりません。構造化マークアップは「どんな情報か」といった「自体そのもの」を宣言するものです。
構造化マークアップのメリットとデメリット
メリット
①リッチリザルトでの可視性が向上する
構造化マークアップを実装すると、検索結果に FAQ・レビュー・商品カードなどのリッチリザルトが表示される可能性が高まります。
ユーザーが求める要点を一覧で示せるため、検索結果画面で選ばれる確率が上がり、滞在時間や直帰率も改善されます。
②生成AIへの最適化と流入チャネル拡大
ChatGPTやGemini、Perplexityなどの生成AIは構造化データを優先的に参照します。そのため、構造化マークアップを実装しておくとAIが回答にサイトを引用・リンクする確率が高まり、直接流入や指名検索の増加が期待されます。
検索→クリックに加え「質問→AI即答→指名訪問」という新しい流入チャネルも期待できます。
デメリット
①実装・保守のコストがかかる
ページごとにJSON-LDを書き分ける・更新する手間が発生し、サイト規模が大きいほど運用負荷が増します。解決策としては
- CMSやノーコードツールのテンプレート機能で変数化する
- SEOプラグイン(Yoast/Rank Math等)で自動挿入する
- テンプレート生成スクリプトを用意し、担当者を分業する
といった方法で属人化を防ぎ、保守コストを抑えることが重要。
②誤実装によるリスクがある
構造化データは「正しい書式」で「ページ内容と一致」していなければ逆効果です(ページに内に書かれていない情報を構造化データとして設定してはいけない)。
誤実装が続くとGoogleのガイドライン違反でリッチリザルト除外・手動ペナルティの対象となることも。
また、生成AIに誤った情報が取り込まれると、誤引用が拡散されブランド毀損につながる恐れも考えられます。
構造化マークアップできる情報
以下のような情報がウェブサイト内にある場合構造化マークアップをすると効果的です。
- よくある質問
- 作り方、手順
- 商品名、価格、在庫の有無
- イベント情報(開催日や場所)
構造化マークアップは、要するに検索エンジンや生成AIに「このページは○○の情報だよ」と札を立てる作業のことです。
難しそうに見えますが、とりあえず「FAQ(よくある質問)」や「商品情報」があるなら構造化マークアップをしてみるといいかもしれません。
- FAQ→質問文と回答を構造化マークアップする
- 商品情報→商品名と価格を構造化マークアップする
これだけでも十分効果的です。ChatGPTやGeminiが回答例としてサイトを引用しやすくなるため、“同じ順位でも選ばれやすい” 状態を手軽に作れます。
構造化マークアップの書き方
構造化マークアップの書き方を、「よくある質問」の場合を例に解説します。以下のツールを使って構造化マークアップを実施します。
ツール:Schema Markup Generator (JSON-LD)

上記のツールを開き、「Which Schema.org markup would you like to create?」のタブをクリックします。

今回はよくある質問を構造化していくので「FAQ Page」を選択します。

Question と Answer のところに質問と回答を入力します。FAQを追加するときは「+ ADD QUESTION」をクリックして入力欄を増やします。

FAQが全て入力できたらコードのテストをします。「G」のボタンをクリックして「Rich Results Test」をクリック。

リッチリザルトテスト画面が表示されたら「コードをテスト」をクリック。

上記の画面になればテストはクリアです。
設定方法
WordPressの投稿内に設定する方法を解説します。

構造化マークアップのコードが生成できたら、上記のボタンよりコードをコピーします。

記事の冒頭に「カスタムHTML」ブロックを追加し、そのブロック内に先ほど作成したコードをペーストします。これで構造化マークアップしたコードの追加は完了です。
公開後の動作確認
記事公開後、正常に動作しているか以下の方法で確認してみましょう。
①検索結果
Googleなどで「site:自社ドメイン よくある質問」などで検索し、FAQドロップダウンや商品カードが出るかを確認する。公開後1〜2週間後が目安。
②サーチコンソールの拡張レポート
サーチコンソールを開き、左メニュー内にある「拡張 › よくある質問」などに表示回数が出るかを確認する。
③AIチャット
ChatGPT, Gemini, Perplexity等で関連質問を入力し、回答欄に引用リンクがあるかを目視で確認する。
よくある質問
Q. 構造化マークアップのコードはどうやって作るの?
無料ツールの「Schema Markup Generator」に質問と回答を入力 → 生成されたコードをコピーするだけでコードは作成できます。コードを書いたことがない人でも数分で作成できます。
Q. 構造化マークアップはサイトのどこに書けばいい?
ページの <head> または、本文先頭のカスタムHTMLブロックに入れればOKです。
Q. 反映されるまでどのくらい時間がかかる?
検索結果の見た目に変化が出るのは、インデックス更新のタイミング次第で1〜2週間程度が目安です。
Q. 小規模サイトでも効果はある?
あります。FAQを3〜5問だけでもマークアップすれば、生成AIの回答欄に引用される可能性が生まれます。ページ数より情報の明確さが評価されるため、まずは最重要ページから着手すると成果を体感しやすいです。
Q. エラーが出たときの対処法は?
Search Console の「リッチリザルトテスト」でエラーメッセージを確認 → 該当プロパティを修正 → 再テスト を実行しましょう。構文ミス(カンマ抜けなど)がよくあるのでコピペ後の編集時に注意してください。
まとめ
この記事では、構造化マークアップの書き方や設定方法を解説しました。
構造化マークアップは、ページ内容を検索エンジンと生成AIに正確に伝える「意味タグ」のようなもの。
FAQや主力商品1点でもJSON-LDでマークアップすれば、リッチリザルトや生成AI引用で同順位でも選ばれる確率がアップします。
AI検索流入時代には必須の項目だと思うので、ぜひお試しください。
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